京都府は宇治市の自称コミュ障くん
京都の悩み相談-人生相談室です。
宇治市から来てくれた男性24歳のお話です。
「中学生の頃から友達に『コミュ障』って言われてきてるんです」
そっか、それは嫌やね・・・
「それでね、中二の時に、担任の先生に『お前は中二病か』って言われたんです」
そっか、それは嫌やねえっ、先生に?担任の先生に?
「はい。ほんでその先生にも、友達が言うからかコミュ障ってあだ名をつけられて」
えっ、担任の先生が?マジで?
「はい。でも女子グループの何人かが『そんなん言うのやめぇよ』って言ってくれてたんですけど、」
うん
「でも先生が俺をコミュ障ってみんなの前で言った時から女子が何も言ってくれへんようになって、」
まぁ、言いにくくなったよね
「それで、俺はコミュ障なんやなって思って」
それで思っちゃったか・・・
「あんまり言葉の意味はわかってなかったし、今もあんまり気にしてないんですけど」
そうなん?
「なんか、ニコニコしてたら嫌なこと言われてても早く終わるし、1回めっちゃ腹が立って殺したろうと思って家から学校に包丁を持って行ったんですけど、」
えぇ!?うん、それで?
「なんか、イジメられてる時は心の中で『コイツ今から殺す』とか思ってたら、まぁホンマに殺すこと想像してたらそれで気が済んで、あとはニコニコしてたら終わってたし、もうえぇかなーって思って」
発想が怖いんやけど・・・
「それで、学生服が濡れたし汚れたから、先生のところに言ったら『今日は帰れ』って言われて、」
先生おかしくない?今もその先生は先生やってるん?
「はい、たぶん。いや知らないですけど」
まぁそっか。ほんで?
「俺はコミュ障やし仕方ないんかなって思ってて、それを母親にも言ってて」
お母さんに言ったん。お母さん怒ったんじゃない?
「いや?母親は『そんなん言われるアンタが悪い』って。それでまぁ、そうかぁと思って」
えぇ!?そうなん?へぇ~・・・
「なんかね、忘れ物が多いんですよね。遅刻もするし、宿題はせぇへんし」
そうかぁ
「それで、中学を出てから、バイトするようになって、なんかいっつも嫌いな人がおるからあんまりバイト好きじゃないんですけど」
いっつも嫌いな人?
「はい。最初のバイトはスーパーやったんですけど、亀岡さんっていうオバハンがめっちゃ俺にだけ偉そうで、しかも教えてもらってないことをやっとけとか言われたりして」
そうかぁ。それは困るなぁ
「それで店長に『亀岡さん嫌なんですけど』って言ったら、『それはお前が悪い』とか訳わからんこと言われて」
えっ、店長もそんなんなん?
「そうなんですよ!ほんでそんな店はすぐに辞めたったんですよ。それから、母親に次のバイト探せって言われるし父親にも蹴られたし、次はドラッグストアの面接受けたんです」
うん。ドラッグストアなら似たような仕事内容やからやりやすかっ・・・いや、お父さんに蹴られたん?んー?
「蹴られましたよ?それで、ドラッグストアの面接は、副店長?がめっちゃバカにしてきて、クビでした」
クビ?何日かは頑張ったん?
「いや、だから面接でクビですよ」
あぁ、不採用やったんやね
「それで、働くの嫌になって何もせんとおったら、母親に『お前1回病院行こか』って言われて」
お母さんにお前って言われてんの?
「そうですよ?俺も言うし」
え、お母さんにお前って言うん?
「そうです。母親のこと嫌いなんで」
そっか。ほんで、病院に行ってどしたん?
「なんか、なんかの病気をいろいろ言われて、コミュ障も言われて」
・・・
「俺やっぱコミュ障かーって思って。なんか薬めっちゃ出されて、でも飲むの嫌やから飲まへんようになったんですけど」
・・・
「それで、もう10年ぐらい働いてないんですよね。やっぱ俺ってなんかの病気ですか?」
10年?あぁ、中学を出てからほとんどってことか。なんかの病気、うん、うーん
「精神科と、心療内科?なんか3回ぐらい行ったことあって、でも専門家のくせに俺の話はようわからんみたいに言ってきて、合わへんから行かへんようになるんですけど」
そうなんかぁ・・・
「ほんで家に帰って母親に報告したら母親は『アンタが悪いんや、人に迷惑ばっかりかけて』って言うし、昨日も言われたし」
・・・
「もうそれやったら死んだ方がえぇんかなって。先生どう思います?」
えっ、いや、死んだ方がいいとは思わないですよ
「でも病気なんでしょ?コミュ障でしょ?死んだ方がえぇんちゃいます?」
いやいや、だから、死んだ方がいいとは思わないですよ
「じゃあ、俺に合う仕事って何なんですかね。すぐ嫌がらせしてくる奴らがおるのは殺したらアカンのでしょ?」
殺したらアカンよ!
「また働こうと思ってるんですよ。母親が出ていけって言うから、自分で自立せなアカンのですよ。でもできひんのですよ」
・・・
「先生のところって募集してます?」
してないね・・・ゴメンね・・・
–
–
というあたりで時間が来てしまいまして延長はありませんでした。
久しぶりに、何をどうしたらいいのかなという感じに困ってしまって、
何よりもウチでは「募集してない」と即答してしまったのが、立場上と仕事柄とても申し訳ない気持ちになりました。
でも、本当に申し訳ないけどウチでは何の仕事を任せていいかわからず雇ってあげる想像はできません。
人助けを信念に本気で尽くしているつもりですが、実は私は口だけなのかなと少し沈んでしまいました。
なぜか手応えを感じてくれたらしい宇治くんは次回の予約をして機嫌良く帰っていきましたが、
「先生って優しいですよね。さすが話を聴いてくれるプロですわ。悩み相談に来てよかった」と嬉しそうに言う彼に、やはり申し訳なく思ってしまいました。
私は彼に何をしてあげられて、どんな形で何をどう助けてあげられるのか、親権に考えている今日この頃です。
京都の悩み相談-人生相談室でした。